Web制作やUIデザインをしている人なら、一度は使ったことがあるかもしれない「Adobe XD」。
私自身も、Webサイトのデザインを作るときにXDを使ってきました。
そんなAdobe XDですが、最近「Adobeの公式ストアから見つからない?」と感じる場面が増えてきました。
「え、XDってもう終わったの?」
そう思った人も多いのではないでしょうか。
今回は、Adobe XDの現在と、これからのFigmaについて、Web制作をする側の目線から少し考えてみたいと思います。
Adobe XDは本当に終了したの?
結論からいうと、現時点でAdobe XDが完全に終了したわけではありません。
Adobeの公式ヘルプでは、現在もXDのダウンロードや利用について案内されています。
ただし、かなり重要なのが「メンテナンスモード」に入っているということ。
Adobe自身が、XDについて「継続的な開発や新機能の追加に向けての投資は行わない」と案内しています。
つまり、
使えなくなったわけではない。
でも、これから新しく進化していくソフトではない。
という状態です。
既存ユーザーに対しては、バグ修正やセキュリティ・プライバシー関連のアップデートなど、必要なサポートは続けられています。
実際、2026年8月にもAdobe XD 61向けのセキュリティアップデートが公開されています。
なので「明日からXDが開けなくなる」という話ではありません。
ただ、これから新しくデザインツールを選ぶ人にとっては、かなり大きな意味を持つ変化だと思います。
では、これからFigma一強になる?
ここで名前が出てくるのが「Figma」です。
Figmaは、ブラウザ上でデザインを作成できるUI/UXデザインツール。
複数人で同じファイルを編集したり、デザインを共有したり、コメントを残したりと、Web制作の現場で使いやすい機能が多くあります。
そして最近のFigmaを見ていると、単純な「デザインツール」という位置から、さらに広い領域へ進もうとしていることが分かります。
2026年には、AIを使った生成機能や、デザインとコンテンツ制作をつなぐ「Figma Weave」なども展開されています。
Figmaのリリースを見ていると、
「画面をデザインするためのツール」
から、
「デザインを起点に、実際の制作物まで作っていくための環境」
へ広がろうとしているように見えます。
XDとFigma、何が違った?
XDが登場した頃は、Figmaとはまた違った魅力がありました。
特にAdobe製品との相性です。
PhotoshopやIllustratorを使っている人にとっては、Adobeの中でデザイン制作を完結させやすい。
Webデザインを作って、プロトタイプを作って、クライアントに共有する。
この流れを比較的シンプルに作れるのがXDの魅力でした。
一方、Figmaは「ブラウザ」「共有」「共同編集」というWebサービスらしい強みを持っていました。
Web制作の現場では、デザイナーだけで完結するわけではありません。
ディレクター、コーダー、クライアントなど、いろいろな人がデザインを見ることになります。
そう考えると、オンラインで簡単に共有できるFigmaのスタイルは、Web制作との相性が良かったのだと思います。
AdobeとFigmaの買収話もあった
実はAdobeとFigmaには、もう一つ大きな出来事がありました。
Adobeは2022年、Figmaを約200億ドルで買収する計画を発表しました。
しかし、規制当局による審査などを経て、2023年に両社は買収計画を取りやめています。
その後、Figmaは独立した企業として開発を続けています。
つまり現在の状況は、
AdobeがFigmaを買収して、XDとFigmaが統合される
という未来ではありません。
FigmaはFigmaとして進化し、AdobeはAdobeとして別の方向へ進んでいます。
じゃあXDを使っている人はどうすればいい?
ここは結構悩むところです。
すでにXDで大量のデータを持っている人なら、無理に全部を今すぐ作り直す必要はないと思います。
XD自体は現在も利用できます。
ただし、新しくWebサイトを制作するときに、
「これからも長く使うデザインツールを選ぶ」
という視点で考えるなら、Figmaを検討する人が増えるのは自然な流れだと思います。
特に、
- 複数人でデザインを確認したい
- クライアントと共有したい
- デザイナーとエンジニアで連携したい
- デザインシステムを管理したい
- AIなど新しい制作機能を使いたい
という場合は、今後のFigmaの進化にも注目しておきたいところです。
これからのWebデザインはどうなる?
個人的に気になっているのは、Figmaが「デザインを作る場所」だけではなくなってきていることです。
これまでは、
デザインする
↓
デザインを確認する
↓
コーディングする
↓
Webサイトになる
という流れが一般的でした。
これからは、
アイデアを出す
↓
AIやデザインツールで形にする
↓
プロトタイプを作る
↓
コードやコンテンツへつなげる
↓
実際のWebサイトとして公開する
という流れが、もっとシームレスになっていくかもしれません。
そうなると、デザインツールに求められるものも変わってきます。
「きれいなデザインを作れるか」だけではなく、
どこまで制作工程をつなげられるか。
ここが重要になってくる気がします。
XDがなくなることより、「選択肢が変わった」ことが大きい
Adobe XDがすぐに使えなくなるわけではありません。
でも、これから新しくWeb制作を始める人にとっては、以前とは状況が変わっています。
XDが積極的に新機能を追加していた頃と、現在では意味合いが違います。
そしてFigmaも、単なるXDの代替ツールというより、独自の方向へ進んでいます。
なので、
「XDが終わるからFigmaに移行しよう」
だけではなく、
「これからWeb制作の工程そのものがどう変わっていくのか」
という視点で、XDとFigmaを見ていくのも面白いのではないでしょうか。
今後、デザインツールがどこまでコードやAI、コンテンツ制作とつながっていくのか。
Web制作を仕事にしている身としては、そこがかなり気になるところです。
Adobe XDを長く使ってきた人にとっては少し寂しい変化ですが、Webデザインそのものが次の段階に進むタイミングなのかもしれません。